歯周病は歯を支える骨や歯ぐきの病気です。
実は、歯を失う原因の1位が歯周病なのです。
家は土台が悪いと建物もぐらぐらして、ついには倒れてしまいます。
お口も一緒です。歯を支える土台である歯ぐきが悪いと、せっかくの健康な歯もぐらぐらして、倒れてしまうのです。
歯周病には、早期発見とお口のプロによる治療が大切です。
歯周病で溶けた骨を治療する「エムドゲイン療法」
歯周病は治らない、歯周病で溶けてしまった骨はもどらない…と思っていませんか?
「エムドゲイン」という、歯周病によって溶けてしまった骨を再生させる薬があります。
溶けた骨の部分にエムドゲインを入れることで、歯が生えてくるときと同じような環境を作り出し、歯周組織の再生を促します。
すべての骨を再生できるわけではありませんが、骨を再生させることによって歯の寿命を長期間伸ばすことができます。
日本はもちろん世界44ヶ国以上でも使用されており、多くの治療報告がある再生療法です。
1998年に厚生労働省の承認され、歯周病治療に使われていますが、健康保険の適応にはなっていないため、自費治療となります。
エムドゲイン | 一歯 | 60,000円(税込) |
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隣在歯 | 30,000円(税込) |
歯周病治療の流れ
- Step1 初診
- もし痛みがあれば応急処置をして、痛みをまずは取り除きます。
- Step2 歯周病のスクリーニング
- 最初は、お口の中の状態や歯周病の進行度合いをチェックします。歯ぐきの周りに炎症が起きているかどうか、歯と歯ぐきの間のみぞ(歯周ポケット)の深さはどのくらいか、歯のぐらつきはあるかどうか、そして、レントゲン撮影で目に見えない部分のチェックを行います。
- Step3 歯周病の初期治療
- TBI(ブラッシング、フロッシング指導)、スケーリング(歯ぐきの上の歯石取り)
- Step4 再評価
- あまり状態がよくなければもう一度 Step5の歯周病治療へ。よくなっているようであれば、メンテナンスの Step7へ以降します。
- Step5 歯周病治療
- ルートプレーニング(歯ぐきの下の歯石取り)、歯周外科処置(必要に応じて)
- Step6 再評価
- あまり状態がよくなければもう一度 Step5の歯周病治療へ。よくなっているようであれば、メンテナンスの Step7へ以降します。
- Step7 メンテナンス
- 定期検診やPMTCを定期的に行って、良いお口の環境を保ちます。
※ スケーリングとは取り除けていない歯垢(プラーク)、歯磨きでは取り除く事が出来ない歯に付着した『歯石』をスケーラー(超音波スケーラー・ハンドスケーラー)と呼ばれている特殊な器具を使って除去する治療法です。
※ ルートプレーニングとは、歯肉(歯茎)や歯周ポケットに隠れたスケーリングだけでは除去できない『歯石・歯垢(プラーク)』を特殊器具を使用して除去し、再び『歯石・歯垢(プラーク)』が付着しづらいように歯の表面をツルツルにする治療法です。
メンテナンスの重要性について
歯周病は、正しいケアで進行を止めることができます!
現在でも30歳以上の約80%が歯周病にかかっているといわれ、歯周病が歯を失う原因の第1位となっています。
しかし、歯周病は、定期的なメンテナンスと正しいホームケア(ブラッシング・食生活習慣改善など)によって、ある程度、進行を止めることができる病気です。
歯科先進国スウェーデンやアメリカでは、メンテナンス率が80~90%といわれています。
一方で日本のメンテナンス率は、残念ながら約2~3%程度であると言われています。
自宅でのケアはもちろんですが、数ヶ月に1回の歯科衛生士による専門的なクリーニングをおすすめします。